第6話 旅立ちの予告
みなさん風邪や病気にかかっていませんでしょうか?私、犬神 供子は病気などをせず、元気にすごしています。
少しの間ですが私の視点から進めていこうと思います。
さて、いきなりですが今年の魔導学園の7つの光の玉を集めるという行事が中止になりました。
そんな事にならないように今からあきちゃんとたくちゃんと職員室に向かっている途中です。というよりも校長先生の秘書の人に職員室に来るようにって呼ばれました。
「失礼します」
たくちゃんが職員室のドアを開ける。躊躇なく職員室のドアを開けることができるなんてすごいなぁと感心しますよね。
私達は職員室の中をぐるっと見渡す。先生の机がたくさん並んでいるだけでなんの変哲もない。
目の前の壁は窓ガラスになっていてとても良い景色が見えるんだけどこれは魔法で投影された風景だって前に先生が言ってた。この前は海が見えたけど今日は森林で動物の姿がちらほら見える。
先生の机には書類が山済みになっていたり、魔道書のような物が積んであったり、あまり整理はされていないみたい。特にコモド先生の机はひどい。あれで、仕事はできるのかな?
先生達は掃除が苦手なのかな?でも、あきちゃんの部屋よりは綺麗だよね。
しばらく見渡すんだけど先生の姿はどこにも見えない。秘書の人は行けばわかると言っていたし誰かいるはずなんだけど誰もいない・・・。
「おぉ、こっちだ。入ってくれ」
右側の方から声が聞こえる。距離から考えて書類や本が山積みになっているところからだ。山積みというよりもゴミ捨て場と言った方がこの場合はいいのかな?
とにかく私達は声の聞こえた場所に向かって歩いていく。
「キャ!」
足元に出っ張りがあってそれに躓いて転ぶけど山積みになった本がクッションになって助かった。
「あきちゃんとたくちゃんも気をつけて、足元に本が落ちてるよ」
2人が転ばないように私は真剣に注意するんだけど2人とも聞いてないみたい。何かに気を取られているのか目が点のように見える。というか点にしか見えない・・・。2人がこういう反応をするときは必ず何かあるんだよね。・・・・・・もしかして。ちょーーと嫌な予感がするだけど、気のせいかな?
私は恐る恐る後ろに振り向く。・・・・・・やっぱりというか何というか山積みになった本が崩れている。
「・・たす・・・け・・て・・く・・・がくっ」
3人で急いで本を取り除く作業をこれからやらないといけないらしい。
〜〜〜10分後〜〜〜
ボクは明と供子と一緒に供子が崩した本の山を急いでどかす。急いだ甲斐があってか何とか生きていた。
「いやぁ〜助かったよ」
HA!HA!HA!と校長先生が笑っている。
一応正装で、ここで1番偉い人なんだけど威厳って物が欠片もない。やっぱり普段から軽く笑っているからだろうか?
今も急に本が倒れてきて大変だったよ。やっぱり整理整頓は大事だね。と笑っている。
供子が犯人だけど、まぁ整理整頓していない校長先生のほうにも非があるので今回は反省してもらう為にここはあえて沈黙。
「さて、本題に入ろうか。聞いたと思うけどちょっとした事情があってね、今回の宝石探しは中止になったんだけど、君達はやりたいよね?でも、ここ数年7つ全部そろえた人はいなくて、今年は例年より危険だ。それでもやりたい?」
校長先生は淡々と話す。ボク達は少し躊躇したがやっぱりやりたいかった。明と供子もそんな顔をしている。なんとなく頷いた、2人も同じタイミングで頷いてくれた。
「やります」
ボク達は声をそろえて言った。前々からやってみたかった。蒼色の死神殺し(ファントム・キル・ブルー)から聞いた話ではとても楽しくて面白くて思い出になったということだ。それに、なりより明のやつが・・・・・・。
「HA!HA!HA!君達なら言うと思ったよ。今回は特別だ。困ったときは学校まで尋ねてきてもいいよ。それから、安全がどうとかって言って色々面倒な規定があるけど今回は免除しちゃおう!その代り7つの光の玉をそろえてきてくれよ」
覚える事と守らないといけないことが減るので色々と面倒な規定がなくなったのは凄いラッキーだ。さすが校長先生、生徒の気持ちが分かっている。
「じゃあ、今夜は前夜祭ということで何か美味しいものを食べさせてあげるよ。何がいい?」
「カレー!!」
校長先生がたずねると供子が間なく答える。毎回のように思うけどよっぽどのカレー好きだよなぁ・・・。中毒じゃないかと思うほどに。
「おいおい、カレーなんかでいいのかい?」
・・・・・・。嫌な予感がする。恐る恐ると供子の方を向く。
「カレーなんか?カレーなんかって言ったよな・・・!!!カレーを馬鹿にすんじゃねぇぇぇぇえええええ!!!!!」
ごめん校長先生!
一目散に職員室から出る、明は数メートル先を走っていた。とにかく逃げる事ができるところまで逃げないと供子に殺されかねん。
ちっ!学校ってのはなんでこう入り組んでるんだ!!特別教室の関係で入り組んでんじゃない!廊下はまっすぐに作れ!!・・・なんて愚痴ってる場合じゃない、とにかく逃げないと。カレーを馬鹿にしたときの供子はもう手がつけれない。文字通り暴走だ。
・・・殺気!!
「伏せろ!琢磨!!」
明の声でボクは飛びつくように伏せた。
・・・・・・そろそろ供子の怒りも収まった頃か?
しかし、走ってきた後が滅茶苦茶になってるな・・・。せっかく綺麗だった廊下が切り刻んであるかのようだ。もう数メートル走るのが遅かったら死んでたな、俺。
とりあえず琢磨を起こして職員室に戻るか。
「せんせ〜い。生きてますか〜?」
俺と琢磨で職員室に戻ると校長先生が供子に土下座していた。校長先生も2度と供子の前でカレーを馬鹿にすることはないな。
校長先生がまともに喋れるようになったのは数分してからだった。今回は何をしたんだろう・・・?
「はぁ!はぁ!はぁ!最初の光の玉はここにメモしてある場所にあるから行ってごらん。色々協力してくれると思うよ。」
せんせ〜。それじゃあ笑い声じゃなくて必死に呼吸しているみたいですよ〜。でも、気持ちは痛いほど分かるので言わないでおくよ。ちびらないだけ尊敬できますよ。俺なんて今でもきっとちびるよ・・・・・・。
確か俺のときは・・・・・・・・・(死)。
琢磨も震えている。きっと思い出してしまったのだろう・・・。
校長先生が震えている手で琢磨にメモを渡す琢磨が見ると琢磨の表情が恐怖から驚きの色に変わる。
もしかしたら、俺だけじゃなくて琢磨にも関係のあることかもしれないな・・・・・・。
「ところでカレーは?」
「はい!好きなだけ召し上がってください!!」
校長先生・・・。ちょっと目頭が熱くなってきたよ・・・。
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