第2記 〜新生何でも屋〜

対局する2つの信念。

2人は睨みあったまま、そこから一歩たりとも動かなかった。

先に動いたのは鷹志だった。

「山野上さんは先に行っていて下さい。こいつは俺が抑えておきますから。」

そういうと山野上はそそくさと車に乗り込んだ。

「させない!」

乗り込もうとする山野上に向かって少女は発砲する。

鷹志はそれを刀身で受け止める。

こうしている間に山野上の車は闇の中へと走り出して行った。

少女は舌打ちした。

「殺り損ねたか…」

「こっちも依頼を受けていてな、そう簡単に打たせるわけにはいかない…が…」

鷹志は長刀を少女に向けた。

「あいつの…あいつの裏の証拠を見せてみろ、ハル ロングショット。」

ハルは再度鷹志に向けてライフルを構える。

「何を言ってるの?私を殺すんじゃないの?」

「違う…俺はあの山野上が信頼出来ないんだ。あいつの目は…殺し屋だ…」

「あいつの裏の姿知ってるってこと?」

ハルは問う。

「違う…知らないけど…あいつは裏では人を殺している、そう思っただけだ。」

鷹志の目は曇りのない赤い目をしていた。

ハルはそれを見ると闘う必要はないそう決心した。

「いいわ、このビデオカメラを見て。」

ハルはビデオカメラを放り投げた。

鷹志はそれを持ってごくりと息をのんだ後それにスイッチを入れる。

それは悲惨なものだった。

山野上が軽々と人を殺し、金を取る。

脅し、殺し…そこにはいつもテレビに映っている山野上はなかった。

暫らく鷹志は静かに見続けた。

「やっぱりな…あいつはそういうやつだったのか。」

「それでもあいつを守ろうって思うの?」

鷹志は首を横に振った。

「それは違う、もしなぜ守ったかというと確信がなかったからだ。これを見て決めた。俺は…」

「山野上様を殺す…そういうことですか?」

その声がするとビデオカメラが何かに貫かれた。

同時間に銃声などに気づいた山野上の部下たちが下までやってきた。

ビデオカメラを破壊した男はあの山野上の執事だった。

執事は不適に笑い冷たく口を開いた。

「山野上様にご命令を授かっておりまして…もし鷹志様が裏切る様であれば…」

執事は手に持っているレイピアらしきものを鷹志に突きつけた。

「殺せと。」

「はっ…俺を殺そうってか?面白いじゃん。」

「ハル ロングショット!」

鷹志は叫ぶ。

「後ろの雑魚は頼んだぞ。」

そういうと鷹志は長刀を構え戦闘体勢にはいった。

同時にハルは山野上の部下の波に切り込んでいった。

「行きますよ…鷹志様…」

にやりと笑うと執事はレイピアを構え突撃していく。

執事は心臓を狙いレイピアで突く。

鷹志はそれを恵の部分で受け止める。

鷹志は振り払って執事を突き飛ばす。

「殺し初心者じゃないぜ、こいつは…」

「…」

特に反応するでもなく再度執事は急所を突いてこようとする。

今度は肺の主動部分を狙う。

身体を横にしてかわし、長刀の裏の刃のほうで攻撃する。

Wing of phoenixは弐刃(ふたつば)。どちらにも攻撃手段がある。

執事はそれを身体のけぞらせて回避する。

鷹志はステップで後ろに下がり、執事はバック転で後ろに下がる。

鷹志はため息を吐いた。

「仕方ないな…そろそろ終わりにしようか…こう回避されちゃなかなか決着つきそうに無いし…」

「くく…攻撃も当てられてないのに何を言う…火鳥鷹志!」

そういうと再度突っ込んでくる。

鷹志は長刀の中心あたりを両手で持った。

「モード…ダブルウイング!」

そういうと発光し中心から長刀が2つに割れた。

そしてそれは二刀流剣になる。

「はっ!それでどうする気だ。」

さしも気にせず執事は突撃する。

「ま…しいて言うなら…」

鷹志はその二刀流剣をレイピアに向かって振り下ろす。

執事は受け止めたが…

「な…」

レイピアは粉々に砕けた。

剣を受け止めただけで…

その同様があだになった。

その隙を付いて懇親の斬撃を腹に入れる。

血しぶきが立ち、執事はそのまま後ろに身体を落としていった。

「短い方が力はいりやすいってそれくらいかな…」

二刀流剣の末端を付けて元々の長刀の形に戻しハルのいる方へ歩んで行った。

ちょうどハルも雑魚を片付け終えていた。

鷹志の気配を感じて敵だと勘違いしてハルは発砲する。

鷹志は焦ったがなんとか身を仰け反らせて避ける。

「あ…危ねぇなぁ…」

「あ…ガードマンか。ごめんごめん。」

「ごめんですむか!死ぬところだったぞ!!」

顔から冷や汗をたらして鷹志は言った。

「ふう…にしても…面倒なやつを敵に回したことには変わりないな。」

ハルは首を縦に振る。

「ええ。でもこうなってしまった以上、闘うしか道はないようね。」

「ああ、とにかくおれは戻ろうかな家に。」

鷹志が背を向けるとハルは呼び止めた。

「待って!私も行く。」

鷹志は振り返る。

「は…なんで?」

「あなた善悪の判断ついてないじゃない、今回みたいなことがないように私が管理してあげる。これでも情報集めは得意なんだよ。」

鷹志はため息を吐きながら頭を抱えた。けど優しさが感じられた。

「あー分かった分かった、好きにしろ。」

ハルは飛び上がった。

「やった!就職先決定!ちゃんと給料ちょうだいね!!」

そういうとハルは走り出していく。

「って…おい!俺ん家知らないだろ!大体そんな儲かってないんだけど!!待て〜〜!!」

はちゃめちゃだけど頼れる仲間を手に入れ何でも屋はまた新しい一歩をたどる…

そのころ山野上は…

「ふふ…やはり爺ではあの男には敵わないですね…」

どこか分からないようなところで何人もが大きなテーブルを囲み、山野上は不適に笑う。

「あの男、この日本に居させては危険…消すべきだと考えられる。」

「そうですね…そのことには私に任せてください…次期日本大統領決定の私にね。最高の戦力がいますから。」

「期待しているぞ…山野上君。」

「了解。」

「そう思い立ったらすぐ行動に移したらどうだ?」

山野上は椅子を立ち上がる。

「そうですねぇ…明日殺すとしましょうか…」

不適に大きく笑う山野上…これから大きな壁が何でも屋メンバーに襲い掛かる。





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