3匹目 初戦闘


「ジェノサイズ、ザックスだ。さっさとカオスイーハトヴォ、渡してもらおうじゃないか。」
ザックスは多論を睨みつけ剣を突きつけた。
「同じくジェノサイズ、レストです。抵抗すれば命の保障はしませんよ。」
レストはザックスの後ろでひっそりと言った。
しかし多論はその要求は呑まず首を横に振った。
「無理ですね、渡せばこの場で命を助けてもいずれ殺されることになるのは間違いありませんからね。」
ザックスは苦笑した。
「まあいい。どうせこうなると思ってたさ。意地でも吐かせてやる。」
ザックスはそう言って多論に切りかかっていった。
腹を切ろうと剣を右に振る。
多論は左に笛を構えてそれをしっかり受け止める。
多論とザックスの斬りあいに息を呑んでいると正剛はレストの言葉にはっとした。
「そこの君の安全は保障しませんよ。」
レストは剣を構えてそのまま突進する。
正剛はそれを的確に左に避けた。
「動きが鈍いですね。もしかしてブラストが使えないんですか?」
またもやその言葉にはっとする。
正剛はブラストを使い忘れていた。
ブラストを使えば身体能力が格段に向上する。
さらに放出力調整できればどれだけ向上させらるかが決められる。
多論はそれを調整できるが正剛は習ったばかりでまた調整できるところには至っていない。
つまり常に最高のため長い時間放出できないのである。
ブラストが切れると逆に身体能力は格段に落ち、命の危険性は格段に上がる。
だから多論にあまり使用しないよう忠告は受けていたがスピードに違いは歴然、使わずにはいられない。
「仕方ねぇな…いくぜ。」
精神を研ぎ澄ませブラストを発動させる。
正剛の体が少し光る。
「ふ…確かに放出力は中々のようだがその顔を見ると…どうやら調整できるまでには至ってないようだな。」
「ご名答…だがすぐに仕留めてやる。」
正剛はそう言ってズボンのポケットから気煉刀を取り出した。
手に持つと気煉刀から黄色いエネルギー体が飛び出す。
長さは40cm程。
以前よりずいぶん長くなったものだがまだ多論には至らない。
「ふむ…いいでしょう。そちらがそう来るならこちらも全力でいってあげましょう。」
レストの体の光が強くなった。
これはブラストの出力によって光の強さが変わる。
見るからに多論程の強さではないが強く光っていた。
自分の光より強かった。
「まずいかもな…」
「せいぜい頼ませてくださいね。」
レストはすばやく正剛の横に回りこむ。
そしてそのまま近づき剣を振る。
(速い!)
正剛はぎりぎりその動きに反応し気煉刀縦に構えその斬撃を受け止める。
正剛は振り払って距離をとる。
正剛が戦っている中多論も戦っていた。
斬りあい斬りあいの連続である。
「それで全力ですか?ジェノサイズ。」
多論は笛で殴りつけながらこういった。
ザックスはその攻撃を後ろに飛んで回避した。
「はっ…全力出すわけないだろ。疲れるしな。」
多論もその攻撃を終えると後ろに飛んで距離をとる。
「いいでしょう…ならすぐに仕留めます。」
多論の体の光が強くなる。
しかしザックスはそれを見ても微微動だとしなかった。
「はっ…その程度かよターゲット。ならリクエストに応えて見せてやろう…これが俺のブラストだ!」
ザックスは目を瞑り集中する。
するとザックスの光が多論よりも強く光った。
「ははは!いいぜターゲット!!すぐ楽にしてやる。」
多論はため息した。
「その程度ですかジェノサイズ…じゃあこれ…見切れますか。」
多論は集中を高めるための精神統一をすることも無くさらに光を強くした。
「なっ…」
ザックスは驚いた。
その光はブラストの光ではそうそう無い光をしていた。
強い光に動揺している瞬間、多論の姿がザックスの眼から消えた。
多論はザックスの後ろに回りこんでいた。
「遅いですよ。」
そう言って多論は笛を振った。
その撲撃はザックスの高等部をとらえ、ザックスの体は坂の壁に飛ばされていった。
そしてそのままザックスの体は壁に叩きつけられた。
「正剛君を助けに行かないと。」
ブラストの出力を抑え正剛のところへ走っていった。





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