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10匹目 不快遊園地
車内はさっきがむんむんと漂っていた。 ジェノサイズの雅、そしてジェノサイズの行為を阻止しようとする者、多論。 この2人がかみ合うはずがなかった。 全く歯が合わない歯車のように。 しんとした空気が車内を包む。 「ジェノサイズ...この場で始末してもいいんですよ。」 笛が入っていると思われるカードを取り出して殺気立った目で雅を見た。 「ふ...上からの命令であなたたちに攻撃はまだ一切しかけるなと言われてるわ。先頭は真っ平ごめんよ。」 と、言いつつもベルトに引っ掛けてる伸びてない如意棒っぽいものを手にかけた。 一触即発の状態を打開するには正剛が口出しするしかなかった。 「ふ...2人とも止めろって。周りの人達も注目しちゃってるぞ。」 抑えろ抑えろと手を出し2人の間に入った。 2人とも正剛の様子を見るとふぅと一息して武器から手を離した。 「私が暴力女だなんて地域の人には思われたくないですしね。」 「ここで殺せば地域にも上にも見放されるしね。」 そう言ってお互い手を引いた。 「さて...正剛君。この方は放っておいて森山遊園地へ行きましょう。」 そっぽを向くようにくるりと向きを変えまっすぐ前を見た。 「ちょっと待ちなさいよ。私もそこへ行こうと考えてたんだけど!」 ほとんど車外にいるような状態だった雅がずいっと車内に乗り込んだ。 「なら一緒に行きますか?」 普段見せないような冷たい目で雅を見た。 「い...行ってやろうじゃないの!」 そう言って正剛と同じ後部座席に座った。 「...いいでしょう。」 「でも正剛はあげないからね。」 正剛おいおいと思った。 この全く噛み合ってない2人が遊園地に行くなんてまるで死地に向かっているような気分だ。 先が思いやられる正剛だった。
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