序章

遠い昔、世界は荒れ果てていた。盗みを働く者、暴力を振るい暴れる者…
もともと平和だった世界が全ての力を手に入れた大男によって滅ぼされていた。

立ち向かおうという者も現れたが誰もが太刀打ちできず、殺されていった。今は小さな町で大男が暴れている。町の人はただ、見過ごし、耐えしのぐしかなかった。
大男は次々に建物を壊し、人を物のように扱い殺していった。
町を消されると誰もがあきらめていた時、一人の小柄な男が現れた。腰には鞘(さや)に刀が納められている。
町の人々はその男を止めたが男は大丈夫と一言いい、大男のほうへ向かった。
町の人々はそれ以上とめる事はしなかった。止める気力さえでなかったからだ。

その男は大男を見つけると大男に向かって走り出した。距離はかなりある。男は鞘からすばやく刀を抜く。大男は男に気がつくと大笑いし手の平を上に向けた。大男の体の表面にまばゆいエネルギーの波が走った。いくつもの黒い雷のような玉を作りだし、その玉を男に向かって飛ばしていく。その男は刀でそれをキレイになぎ払いながら進んでいく。ある程度なぎ払うと男はニヤリと笑い、大男をからかった。
次に大男は手を空に向け、唸り声を上げた。地面が割れ、そこから大型の奇妙な怪物が3体現れた。その怪物はそれぞれ見た目、形、大きさは3体とも異なっているが全てが醜く、この世のものとは思えない形をしており、巨大であった。3体が一斉に男に飛び掛る。
男に無駄な動きはなく流れるように怪物を2つに切り倒していく。大男はいとも簡単に怪物たちが倒されてしまったため少し呆然としていた。男が声を上げて走ってくると大男はハッとした。
大男は少しあせっていた。今まで大男をここまで苦しめた男はいなかったからだ。大男は焦りを隠し、人差し指を男に向かって指した。指先から炎を出して男を襲う。男は体が燃えながらも大男へ一直線に進む。そしてあと少しで刀が届く距離まで大男に近づいた。大男は地面に手を向けて声を張り上げる。地面が盛り上がり、大きな壁ができた。しかし男は一振りで壁を真二つに切り開いた。
刀が届く距離に達した。男は大男に刀を振りかざした。
次の瞬間には大男を切り裂いていた。大男は叫びながら地面に倒れこむ。
倒れた途端、切り裂かれたところから黒い光を放ち、消え去ってしまった。消えたと同時にたくさんの玉が四方八方に飛んでいった。
そのうちの一つの玉が男の肩に当たって落ちた。当たった瞬間は痛みが走ったがすぐに消えた。その玉は鮮やかに光っている。男はそれを拾う。男は雄叫びを上げた。

町の人々は大喜びし、その男をもてなそうとした。しかし男はそれを断りその町を風のように去っていった。町の人々はあの男は何者でどこから来たのであろう、と思ったが大男がいなくなった喜びに酔いしれてあまり気にしなかった。
その後、たくさんの町や村にこの話は伝わりある町ではその男は英雄となり、またある村では伝説となり後世に語り継がれていく。だが、大男が最後に残した玉を争って後世はまた荒れていく…





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