4匹目 初決着


一方正剛は苦戦を強いられていた。
ブラストの出力はレストの方が上。
よってスピードなど全てにおいてレストのほうが上といえる。
正剛はレストの攻撃を受けるので精一杯だった。
「くそ…」
レストは一度攻撃の手を緩めた。
「ふ…すぐに倒すといって結構掛かってますね…受けるのが精一杯ですしね。」
そうこうしているうちに正剛のブラストの光が一段と弱くなっていった。
「おや…どうやらもうお終いですか?」
「ぐ…」
そしてブラストの光が正剛の体から全て消えてしまった。
ブラストが切れてしまったのである。
ブラストが切れると逆に身体能力が暫くの間急激に低下、歩くことさえもままならなくなる。
「体が…動かねぇ…」
レストは苦笑した。
「未熟…そのことも知らないんですか…まあその無能さが彼方の死因になるでしょう。」
レストはそう言って正剛に斬りかかっていった。
正剛は肩で息をしていて全く動けない。
(ま…まずいなこりゃ…)
「正剛君!」
そう言って多論はその2人の間に入っていった。
レストが剣を振り下ろすと剣は多論の笛によって受け止められていた。
「く…もう一方のほうか!」
レストは態勢を立て直すため大きく後ろへ跳んだ。
多論はそれを確認すると膝をつき息をあげている正剛にあわせて片膝をついてしゃがみ込んだ。
多論は心配そうな目で正剛を見つめた。
「大丈夫ですか?」
「ああ…なんとか。」
正剛は少し息を落ち着かせていたが苦しそうな表情は変わらなかった。
そして体の数箇所に赤色の線が生々しく流れていた。
「正剛君にはまだ戦闘に参加させてはいけなかったですね…後は私がやります。」
そう言って多論は立ち上がりレストに向かって笛を構えた。
「いや…待ってくれ多論…」
正剛はふらふらながらも懸命に立ち上がった。
「俺に…最後までやらせてくれ。」
「で、でも…」
多論は振り返った。
その正剛の顔を見て多論は息を詰まらせた。
苦しそうな顔ではあったが、その表情はいつに無く真剣な顔だった。
最後までやり遂げたいという新年がその顔から見て取れた。
多論はその顔を見るとレストの方を向き、言った。
「分かりました。その体ではまともには戦えないと思いますが…命の危険を察したら私はすぐにあのジェノサイズを片付けます。」
正剛は苦しそうな表情を必死に抑えて笑顔で答えた。
「ありがとう、多論。」
正剛は多論の前へと立った。
気煉刀をぎゅっと握り締めそれをレストに向けた。
「俺はお前が倒す。」
レストは苦笑した。
「今さっき使い果たしたばかりのブラスト残っているかどうかも怪しいですねぇ…すぐに片付けてあげますよ。」
レストはブラストを前回にして踏み込んだ。
そのまま正剛に斬りかかっていく。
正剛はその場に立ち止まり構えた。
相手の行動を見抜き攻撃するつもりである。
だがさっきまでずっと防御するのがやっとだったというのに突然そんなことできるわけが無いとレストは勿論、多論もそう考えていた。
すぐに助けられるようブラストを高出力で保ち見守っていた。
正剛は精神を集中させた。
(根にあるブラストを使い果たしてでも俺はこいつを倒す…)
正剛の体は少しずつ光り輝き始めた。
そうしている間にもうレストは正剛との間合いを詰めていた。
正面から切ると思った次の瞬間レストは強く地面を蹴り宙へと舞った。
そして正剛の背後に着地しそのまま剣を振り下ろした。
(斬られる!)
そう考えてすぐに多論はレストにかかって行った。
斬られる瞬時に突如正剛の体の光が急激に強くなった。
レストが斬っと思ったとき、その剣は正剛の気煉刀に受け止められていた。
驚く間も無くレストは右肩から左腰までを気煉刀で斬られていた。
赤い鮮血がレストの体から噴出し地面に花を咲かせた。
そのまま気を失いレストは倒れた。





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